毎月更新!時事コラム

第1767号(3月25号)
【税理士新聞より転載】

最近の税に関するコトバ集

◆「税金泥棒と言われる筋合いはない」(3月5日、NHK党の東谷義和参院議員)――ライブ配信で。昨年7月に当選して以来1度も登院しておらず、インターネット上などで「税金泥棒」との批判が上がっていることについて、「受け取った歳費は返すつもり。税金泥棒と呼ばれる筋合いはない」と主張した。国会議員には給与に当たる歳費129.4万円と調査研究広報滞在費(旧文通費)100万円が毎月支給され、夏と冬にはそれぞれ300万円を超えるボーナスもある。登院していなくても支払われるため、東谷議員も国会議員を続ける限りは任期の6年間で計約2億円の報酬が約束されている。1度も登院しないという異例の事態を踏まえ、参院本会議では東谷議員に「議場での陳謝」を課す懲罰が決定したものの、本人は断り「陳謝動画」を提出し。

◆「物価高対策の特効薬は消費減税だ」(3月5日、日本共産党の井上哲士参院幹事長)――テレビ番組で。政府の物価高対策について「電気・ガス料金の抑制など部分的なものにとどまっている」と指摘したうえで、「特効薬となる施策はあらゆる商品・サービスに課されている消費税の引き下げだ」と主張した。消費税は1989年に竹下登政権が初めて導入し、続いて97年には橋本龍太郎政権によってそれまでの3%から5%に引き上げられた。その後は民主党政権下で段階的な増税が決まり、安倍晋三政権で14年に8%、そして19年に現行の10%となった。税率引き上げに伴い税収に占める消費税の割合も増えており、直近の22年度予算では34.3%に達し所得税(30.5%)や法人税(21.5%)を上回る最大の基幹税となっている。

◆「インボイス制度を延期するつもりはない」(3月2日、岸田文雄首相)――参院予算委員会で。今年10月からスタートする消費税のインボイス制度を巡り見直しや延期、中止を求める声が上がっていることに対し、「円滑な導入に向けて何が必要なのか、直前までさまざまな施策を検討する」とし、延期や中止をするつもりはないとの考えを改めて示した。インボイス制度が導入されると免税事業者からの仕入れについては消費税の仕入税額控除ができなくなる。そのため免税事業者は取引上で不利な立場となる。

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副業節税

 副業節税とは、副業による赤字を本業の所得と相殺することで納税額を減らす節税手法のこと。働き方改革で企業が続々と〝副業解禁〟するなか、サラリーマンが利用できる節税スキームとして広まっている。
 副業による収入は、原則としてほかの所得と相殺できない雑所得に分類されるが、一定の条件を満たすと相殺可能な事業所得に計上できる。昨年10月に公表された所得税改正通達により、記帳や帳簿書類の保存があればおおむね事業所得として認められることが決まった。また、記帳や帳簿書類の保存をしていなくても、副業による収入金額が300万円を超えるなど所定の要件を満たせば事業所得に分類できる。
 改正通達を巡り国税庁は「収入300万円以下は原則雑所得」とする案を打ち出していたものの、パブリックコメントで異例の7000件を超える反対意見などが寄せられたことを受け、記帳や帳簿書類の有無で判断するよう方針転換した。
 国税庁によると、合法的な副業節税に取り組む人が増える一方で、実態のない副業の赤字を申告することにより不正還付を受ける事例も目立っているという。3月には全国の会社員ら109人に手口を指南し計約4300万円の不正還付を受けさせていたとして、東京・新宿区のコンサルティング会社代表が東京地検に告発された。

押さえておきたいIT用語

サイバー攻撃

 サイバー攻撃とは、コンピューターネットワークを通じて不正にサーバーやパソコンなどにアクセスし、システムの破壊やデータの改ざん、個人情報の抜き取りなどを行う犯罪行為のことを指す。インターネットや電子端末の普及によりサイバー攻撃の件数が急増している事態を受け、国も対策に乗り出している。
 代表的な手口としては、盗み出した機密情報と引き換えに金銭を要求する「ランサムウエア」や、攻撃対象の容量を超える膨大なデータを送り付けることによってネットワークやサーバーをパンクさせる「DDoS攻撃」、ウエブサイトや電子メールを通じて不正なプログラムを送り込みファイルの書き換えを行う「コンピューターウイルス」などがある。
 サイバー攻撃の件数は右肩上がりで増えている。警察庁が国内で検知した件数は2012年時点で269件/日にとどまっていたものの、最新の22年には7707件/日となり実に29倍に膨らんだ。国家機関や大企業のみならず、中小企業や個人が狙われるケースも増えている状況だ。
 被害の深刻化を重く見た警察庁は22年、サイバー攻撃に特化して取り締まる「サイバー警察局」を新設した。またロシアや北朝鮮など国家の関与が疑われるサイバー攻撃も多発していることから、防衛省は22年時点で890人いる「サイバー防衛」の専門要員を27年までに4000人へ増やす計画だ。

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