毎月更新!時事コラム

第1779号(7月25号)
【税理士新聞より転載】

最近の税に関するコトバ集

◆「修正申告するから許してくださいは通用しない」(7月1日、実業家の三崎優太氏)――自身のYouTubeチャンネルで。人気YouTuberグループ「がーどまん」の税金トラブルについて、私見を述べた。がーどまんは国税局査察部の調査で無申告を指摘され、数千万円の税負担が発生した。かつて「青汁王子」と呼ばれ、自身も脱税で逮捕されて有罪判決を受けた三崎氏は、「国税局が来た時点で、修正申告するから許してくださいは通用しない」と指摘。続けて「脱税をしました、ごめんなさいと言うと、逮捕されない在宅起訴という形になる。そこで脱税の意図はない、間違いはあったかもしれないけど脱税しようとしてないって話をすると、逮捕されます」と自身の経験を話した。

◆「マイナンバーカードの名前をやめたほうがいい」(7月2日、河野太郎デジタル相)――出演したテレビ番組で。マイナンバーを巡るトラブルが多発している現状を受け、「マイナンバー制度とマイナンバーカードというものがかなり世の中で混乱してしまっている」として、「次にカードを更新するときにはマイナンバーカードという名前をやめた方がいいんじゃないか」と発言した。また「マイナンバーをどういうことに行政では使っていて、このカードというのは何のためのものなのかというのをもう一度、世の中にしっかり説明していく必要がある」との認識も示した。翌日に松野博一官房長官は「あくまで個人的な見解を述べたもので、政府として名称変更を検討しているものではない」と釈明している。

◆「上半期の税金をすべて漏れなく払い終えた」(7月5日、お笑い芸人の粗品さん)――自身のYouTubeチャンネルで。かねてより納税資金のやりくりに苦しんでいることを報告していたが、「2023年上半期の税金全て払えた!!!!!!!」とする動画を公開し、納付を完了したことを明かした。ただし納税資金の大部分を所属する吉本興業の系列金融会社である「よしもとファイナンス」に頼ったことも併せて述べており、借入額は5千万円に上るという。粗品さんは同社への返済について「法外なペースで返させるのよ。エグいから、マジで」と訴え、「(1カ月で)サラリーマンの方の年収以上返してます」と冗談交じりに話した。

気になるニュースのキーワード

インボイスの2割特例

 インボイスの2割特例は、小規模事業者向けの税制上の優遇措置。消費税の免税事業者から課税事業者に転換する際の負担増を緩和するもので、約3年間の時限措置となっている。
 今年10月にスタートするインボイス制度では、課税事業者が発行するインボイスがないと消費税の仕入税額控除が受けられない。そのためインボイスが発行できない免税事業者が取引から排除される可能性があり、取引の減少を防ぐために課税事業者に転換する免税事業者が多く見込まれる。しかし今まで納税義務のなかった事業者への負担増が事業を圧迫するとの懸念から、最新の税制改正で激変緩和措置として盛り込まれたのが2割特例となる。
 2割特例では、実際に預かった消費税額がどれだけかに関係なく、仕入税額控除を「預かり消費税×80%」で計算できる。納税額が受け取った消費税の2割に収まるため、2割特例と呼ばれる。同特例を適用できるのは、インボイス制度の開始を機に、免税事業者から課税事業者に転換した者に限られ、年間の課税売上高が1千万円以下というハードルも設けられている。
 特例はあくまで23年10月1日~26年12月31日(3月決算法人なら27年3月)までの時限措置のため、小規模事業者への根本的な救済策にはならないとの指摘も多い。

押さえておきたいIT用語

Threads

 Threads(スレッズ)は、「Facebook」を作ったマーク・ザッカーバーグ氏がCEOを務めるメタ社が新たに開始したSNS。同業大手のTwitterがサービスの改悪などでユーザー離れが進むなかで〝移住先〟として期待を集めている。
 世界で人気のSNSといえば画像投稿サービスのInstagramや動画投稿のTikTokなど数多くあるが、テキスト主体のSNSとしてはユーザー数5億人を超えるTwitterが最大手だ。ユーザー数が多いだけでなく、トランプ前大統領をはじめ多くの政治家や企業が情報発信しており、Twitterから社会問題やトレンドに火がつくことも多い。
 だが同社では長年の放漫経営が深刻化し、運営体制に対する不満が増大。2022年にカリスマ実業家であるイーロン・マスク氏に買収されたことで経営などが上向くことが期待されたが、その後もユーザーの不満を招く改悪が行われた。そして今年7月2日に予告もなく大幅な投稿数の閲覧制限が行われ、多くのユーザーのストレスが爆発したタイミングで発表されたのがザッカーバーグ氏による「Threads」のサービス開始だ。それまでのTwitterへの不満を表すようにThreadsの登録者は激増し、開始から1日経たずに3千万人を超えたという。
 ただ現時点では、ユーザーからの期待が先走っている状態ともいえ、Threadsが真の勝者となれるかは今後のサービスのあり方次第だろう。

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