毎月更新!時事コラム

第1793号(12月15号)
【税理士新聞より転載】

最近の税に関するコトバ集

◆「いや、装備品を減らすか増税のどちらかしかないはず」(11月28日、参議院議員の辻元清美氏)――11月27日の参議院予算委員会の質疑で。辻元議員は、昨年倍増が決定した43兆円の防衛費が、円安の影響で新たな大増税になるのではないかと岸田首相に詰問した。質疑の中で、予算時の1ドルの換算レートは108円で現在より40円以上も円高であったことや、イージス搭載艦2隻の取得予定費の差額が約2000億円まで膨れ上がっていることが各担当大臣から明らかになった。岸田首相は「43兆円の範囲内で防衛力を強化していく」と答弁したが、辻元議員は「今日のレートは大体150円でしょう。装備品減か増税しかない」と発言をした。

◆「『大阪万博』に関してだけは、お金はいくらでもあるということなんだろうか」(11月29日、元明石市市長の泉房穂氏)――SNSで。2025年「大阪・関西万博」の新たな別途費用837億円が明らかになり、「なぜ大阪万博の負担だけはやむを得ないと膨れ上がっていくのか」と疑問を呈した。当初、万博費用の総額予算は1250億円だった。しかし暑さ対策等で1回目の増額1850億円へ、物価上昇等で2回目は当初の約2倍の2350億円に変更された。そして、日本のパビリオンの事業費等837億円が明らかになり、総額は3187億円になる見通しだ。岸田首相は22日時点で「さらなる増額は認めるつもりはない」と発言していたが、27日には「合理化の努力を続ける」と曖昧にした。万博の度重なる予算増に対して泉氏は「国民もさすがに怒っていいと思う」と主張した。

◆「ある程度金額的に国民に慣れていただくことも必要ではないか」(11月30日、自民党の萩生田光一政調会長)――自民、公明、国民民主党での政調会長会議で。昨年も見送られたガソリン税の一部を軽減する「トリガー条項」の凍結解除について、岸田首相が好反応を示したことにより事実上の減税になるか、ガソリン税関連が話題となっている。萩生田政調会長は現行のガソリン価格の激変緩和措置で国民が慣れれば、トリガー条項の解除は必要ではないとの内容を述べた。これに対して、SNSでは「政治家は安い税金に慣れていただくことが必要」「慣れれば痛みがなくなると思ってらっしゃる?」など不満が爆発している。

気になるニュースのキーワード

政治資金規正法

 政治資金規正法は、政治団体や公職の候補者によって行われる政治活動につき、公明性、公正性を確保する目的で制定された法律のこと。①政治団体の届け出、②政治団体に係る政治資金の収支の公開、③政治資金の授受の規制、④その他の措置を講ずることを定めている。
 政治資金規正に関する考え方は主に2つあり、「政治資金の収支の公開」と「政治資金の授受の規制」を軸としている。「政治資金の収支公開」は政治団体の会計責任者に、毎年12月31日までの政治団体に係るすべての収支と資産の状況を記載した収支報告書を原則、翌年3月末までに、選挙管理委員会または総務大臣に提出する義務を定めている。「政治資金の授受の規制」は法人が政治団体に寄付することや、寄付の量的制限を定めている。
 12月1日、自民党の最大派閥「清和政策研究会」安倍派は、政治資金パーティーで得た収入のうち、ノルマを超えた分を議員側にキックバックし、派閥の政治資金収支報告書に正確な記載をしていなかった疑いがあることが判明。安倍派のパーティー収入は昨年までの5年間でおよそ6億6000万円と収支報告書に記載されているが、関係者によると、ノルマ分の記載しかされておらず、議員側にキックバックされた資金の総額は数億円にのぼると見られる。

押さえておきたいIT用語

LINE(ライン)

 LINE(ライン)は、メッセージのやり取りや音声通話、ビデオ通話などが可能な無料のメッセージングアプリ。テキストだけでなく、スタンプや絵文字、写真、動画なども送受信できる。また、グループチャットやグループ通話、ゲームにニュースなど様々な機能が利用されている。今年1月にNTTドコモモバイル社会研究所が行った調査によると、スマホ・携帯所有者のうち83.7%がLINEを利用している。
 LINEのサービスを提供しているLINEヤフーは、もともと、韓国のネイバー社が開発したLINEサービスを提供してきたLINE社と、ITサービスを提供してきたヤフーが、21年3月にZホールディングス(ZHD)という会社と経営統合したものだ。そして、23年10月にこの3社に加えて他のグループ企業が合併し、「LINEヤフー」が発足した。
 11月27日、サイバー攻撃によってユーザーや、取引先、従業員に関する44万件の個人情報が流出したことが明らかになった。LINEでこのような情報管理不足が発覚するのは3度目だ。最初は21年3月に、中国の業務委託先企業から、日本人ユーザー情報にアクセスできるようになっていたことが発覚し、問題となった。さらに今年8月には、ヤフーが提供する検索エンジンの検索語句や位置情報などを韓国のネイバーに提供していたことが明らかになっている。

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